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By wps.

「2011年の夏休み」に思うこと(アキハバラ電脳組)

秋葉原

あの日見た映画「アキハバラ電脳組 2011年の夏休み」を、いつの間にか追い越していく自分がいた。

海外SFドラマは好きだけど、古典的な話は好きではない。世の中が2001年を迎えた頃、たまたまつけていたテレビかなにかで、当時の宇宙開発技術と「2001年宇宙の旅」に出てくる技術の比較だかをやっていて、特に興味がそそられなかったのを覚えている。

夏休みと呼べるほどの大型連休は取れていないし、学生でもないので平日は相変わらず仕事。それでも、世の中が夏休みであることに変わりはなく、今はまさに「2011年の夏休み」なのだろう。すべての愛すべきサラリーマンと同様に、社会人になって以降、それまでの「夏休み」がいかに貴重なものかが身に染みている。

折しも1999年の夏休み。映画版の上映に合わせて、テレビ版「アキハバラ電脳組」の再放送をやっていた。部活の練習の合間を縫って、毎日のようにだらだらと見ていたら、次第に映画版まで見たくなり、そんなこんなで映画館まで足を運ぶことに。コンプレックスシネマができ始め、町中の小規模映画館が廃れ始めた頃だった。綺麗とは言い難い映画館で見た内容に、果たして感動したかと言うとそうでもない。しかし、お気に入りの曲を集めたMDに主題歌を収録したくなるくらい、出来は悪いものではなかった。

2011年の夏休みを迎えるにあたって、映画館に足を運んだ1999年の夏休みをまざまざと思い出すようになった。やはり同じような人はいるもので、当時を懐かしむツイートや映画の舞台来訪をしている人を見かけたりする。上映イベントを企画しているところもあるようだ。けれども、今はあの映画が描いた2011年とは似ても似つかない。アキハバラデパートは潰れたし、真新しいビルが次々と秋葉原には建ってゆく。第一、日本中がお気楽な状況ではない。

自分はと言うと、あの頃想像していたのとは少し違う2011年を過ごしている。これから先、小説やドラマの主人公の年齢をどんどん追い越していくし、高校球児や若手アイドルの年齢をどんどん引き離していくだろう。それがまさに「年をとる」ということなのだろうけど、どんな年のとり方をするのかぐらいは、少し真面目に考えてみたいと思った。

投稿:8/22/2011